加齢臭について 原因 対策 他
< 加齢臭について >
自分の体臭が、ある年齢を境に急に変わったと感じたことはございませんか?
私は50歳を過ぎたある日、なんか今までと自分の体臭が変わったと実感することがありました。
もちろん汗臭なども気にはしていたのですが、なんかサビたような体臭を感じいよいよ来たかと感じたものです。
加齢臭(オヤジ臭と言う方もいます)という言葉は、資生堂が加齢により体臭も変化するという概念を示す言葉として命名されたました。
また加齢臭の原因についても資生堂が発見をしました。
資生堂の研究チームが20代~70代の男女のポロシャツに付いた臭気成分を分析し、40代以降から検出、特定したのが2-ノネナールという物質なのです。
他人の体臭は気になるものです。
この研究を行っていただいた資生堂の研究チームの方々の努力は並大抵では無かったと思います。
2-ノネナールが若い世代からは検出されなかったため、加齢臭の原因物質として2-ノネナールが特定されたということです。
また発生部位もある程度特定され、キチンとしたケアをすればある程度解決できるようになってきました。
加齢臭は男性のみとの誤解も多いようですが、女性でも発生します。
男性は主に40歳代以降、女性では主に閉経後に増加傾向が見られます。
男性の方がニオイは強い傾向にあります。
加齢臭ですが近年では研究が進み、大きく分けて2種類あることが分かってきました。
20代後半くらいから発生するジアセチルを原因とするミドル脂臭と、40代くらいから発生する2-ノネナールを原因とする加齢臭の2種類があります。
ミドル脂臭は男性用の化粧品などで有名なマンダムが発見しました。
ミドル脂臭の方が、異性から嫌悪感を抱かれやすい傾向にあります。
ミドル脂臭は、ニオイの表現が難しいのですが、古びた油のようなニオイと表現される方が多いです。
かなり鼻につくニオイです。
加齢臭については古いたんすや枯れ草のようななつかしいニオイと表現される方が多いです。
昔、おじいちゃんやおばあちゃんの家に行ったときに、嗅いだことのあるニオイですね。
ちなみに少しお恥ずかしい話ですが、私は加齢臭と聞いて、知識が無い時にカレー臭だと思っていました。
カレーのニオイだと思っていました。
そんなニオイするかな?なんて呑気なものでした。
人はその立場に立たないと分かろうとしないものですね。
加齢臭とミドル脂臭はニオイの発生原因やニオイを主として発生する部位は別のため、加齢臭対策とミドル脂臭対策については別途対応を変えていかないといけません。
これらの体臭もちゃんと対策を立てていけば有る程度は防ぐことが可能です。
こちらで良いものや良い対策を随時案内いたしますので、ぜひお役立ていただけると嬉しいです。
< 加齢臭の原因 >
加齢臭)は、2-ノネナールという物質が原因のひとつとされています。
加齢臭は皮脂腺の中の脂肪酸(9-ヘキサデセン酸)と過酸化脂質が結びつくことによって発生します。
簡単にいうと皮膚表面の皮脂(9-ヘキサデセン酸)が酸化して発生する2-ノネナールが発するニオイを加齢臭というのです。
9-ヘキサデセン酸は40歳頃から分泌量が増えます。
9-ヘキサデセン酸は、男女に関係なくだいたい40歳以降に分泌量が増加する傾向にあります。
加齢に伴い加齢臭の原因物質2-ノネナールが増えて、2-ノネナールを抑止する抗酸化作用が落ちてくるために加齢臭は発生しやすくなるのです。
体重の増加や運動不足、ストレス、食生活の不養生なども原因となります。
動物性の脂肪の多い食品と摂りすぎたり、野菜類をあまり食べない、フライなどの揚げ物が大好きな方、タバコ、過度の飲酒、生活が不規則なども加齢臭の要因となります。
もちろん毎日の入浴、衣類や寝具の小まめな洗濯も欠かせません。
2-ノネナールは、ご家庭の通常の洗濯の際の水温では落ちにくいのです。
繊維の隙間に入り込でしまい、洗っても繊維の隙間に残った2-ノネナールが、身体から新たに発生したと2-ノネナールと合わさり、さらにニオイがきつくなります。
寝具などは、なかなか洗濯できないので、なお更ですね。
2-ノネナール 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
< 加齢臭の原因物質2-ノネナールができるまでを知ろう >
加齢臭の原因物質である2-ノネナールが発生する過程を知ることで対策を立てることができます。
ここで2-ノネナールの発生過程について書いてみたいと思います。
2-ノネナールは皮脂腺から分泌される皮脂に含まれる脂肪酸の9‐ヘキサデセン酸が酸化することによって発生します。
脂肪酸である9‐ヘキサデセン酸は年齢を重ねるごとに増加します。
分泌された皮脂や9‐ヘキサデセン酸が、空気中に含まれる酸素や体内で発生した活性酸素により酸化されて2ーノネナールに変化するのです。
またストレスや加齢により身体の抗酸化作用が落ちます。
加齢により脂肪酸の9‐ヘキサデセン酸が増加し、身体の抗酸化作用が落ちることにより、加齢臭の原因物質の2ーノネナールができやすい体質が出来上がるのです。
こうして出来た2ーノネナールが加齢臭を発生させます。
これが現在判明している加齢臭発生のメカニズムです。
< 加齢臭 9‐ヘキサデセン酸とパルミトレイン酸 >
加齢臭の発生原因について調べると、加齢臭は9‐ヘキサデセン酸あるいはパルミトレイン酸(パルミトオレイン酸という記述もありますが、パルミトレイン酸が正しいようです)が酸化して2-ノネナールに変化するという記述が多数見受けられます。
では、どちらが正しいのでしょうか?
正解はどちらも正しいです。
ただ困ったことがあります。
パルミトレイン酸について調べていくと、なんと・・・
パルミトレイン酸は、動脈硬化、高血圧、皮膚の老化などの予防効果があるというのです。
また悪玉コレステロールを減少させるなどの効果が報告されています・・・
ここまで読むとお気づきですね・・・
パルミトレイン酸は、適量であれば身体に優良な物質なのです。
マカダミアナッツなどに多く含まれています。
しかし多く摂りすぎると、加齢臭の原因物質を生み出す原因となってしまうのです。
なんとも歯痒いですね。
皮脂として汗腺より出たパルミトレイン酸は酸化すると加齢臭の原因物質の2-ノネナールに変化してしまうのです。
本末転倒ですね。
パルミトレイン酸(こちらのブログでは、今後、加齢臭の要因として9‐ヘキサデセン酸をメインに使っていきたいと考えています)。
パルミトレイン酸の過剰摂取は、本ブログの加齢臭対策の原因になっているのです。
パルミトレイン酸は、牛肉や鶏肉などの肉類、鮎(アユ)や鮟鱇(アンコウ)などの魚類からも摂取ができます。
最近はパルミトレイン酸が含まれるサプリメントオイルもあるくらいです。
パルミトレイン酸は脂肪酸でエネルギーを生成するため、過剰摂取は肥満や生活習慣病の原因にもなります。
また加齢臭の原因となりやすいため、健康や美肌、老化防止のためにパルミトレイン酸のみを摂取するよりも、オリーブオイルや菜種油などを摂取し、その中に含まれるパルミトレイン酸を平行して摂取することをおススメします。
< 加齢臭の発生部位 >
加齢臭は頭や胸、背中の肩甲骨の間当たりの部位から多く発生することが判明しております。
耳の後ろ付近と言われることがありますが、これは洗いにくい部位につき、原因物質が蓄積した結果です。
もちろん体内でも生成され皮膚ガスに混じっても2-ノネナールが発生します。
< 若年性加齢臭について >
加齢臭は、通常は40代以降に発生します。
しかし、生活リズムの乱れや脂肪分の多い食習慣、運動不足などにより20代でも加齢臭が発生することが分かってきました。
加齢による加齢臭の発生は自然なことですが、若年で加齢臭が発生する場合は大きな病気につながる場合が多々ありますので注意が必要です。
若年性加齢臭はメタボリックシンドロームと診断される方に発生しやすい傾向あるようです。
先進諸国の肥満は現在深刻な問題となっています。
肥満とは、からだに必要以上の脂肪が溜まっている状態のことです。
肥満はBMI(体格指数)が基準として判断に用いられ、BMI25以上となると肥満と判定されます。
そのなかでも、肥満で健康を害している、または健康への被害が予測される状態のことを肥満症と呼びます。
肥満症は重大な病気につながるため治療が必要です。
メタボリックシンドロームは肥満症の一つで、別名「内臓脂肪症候群」といいます。
肥満かつ高血圧、高血糖、脂質異常症のうち2つ以上の症状が表れいるを状態をメタボリックシンドロームといいます。
メタボリックシンドロームは肥満より健康に深刻な状態といえます。
若年で加齢臭が発生すること、これはかなり拙い健康状態だと言えます。
この記事を書いていて確かに加齢臭っぽいニオイを発生させている若い方がいたことが思い返されます。
もし20代~30代くらいの方で、加齢臭を発生させている場合は、専門医へ行くことをおススメします。
若年性加齢臭は、体が発している危険信号です。
重篤な病気が発症する前に治療しましょう。
若さと元気は何者にも代え難い宝物です。
< 加齢臭の対策 >
加齢臭は加齢による体の変化が原因なので避けようがありません。
ですが、加齢臭の発生物質2-ノネナールを減らすことができれば一番良いですね。
またすでに発生して体や衣服や寝具などについた原因物資である2-ノネナールを取ることができれば加齢臭はかなり軽減できます。
発生のメカニズムや原因物質の特定ができた昨今、効果的な対策がたくさんあります。
ご自分にあったものを取り入れていくと良いと思います。
以下に有効と思われる対策を幾つか挙げておきます。
1、2-ノネナールの発生を減らす
分泌された皮脂や9‐ヘキサデセン酸が、酸化されて2ーノネナールに成分に変化します。
酸化がまず1番のキーワードですね。
では何故、酸化するのか?
空気中の酸素もそうです体内に取りいれた酸素の一部が活性酸素(フリーラジカル)になります。
この活性酸素最近、老化の原因やガンの誘因物質などなど活性酸素がテレビの健康番組で良く取り上げられています。
目にされた方も多いのでは無いでしょうか?
これら活性酸素を減らすことができればこれほど良いことは無いでしょう。
健康になりつつ加齢臭を抑えることができる。
一石二鳥ですね。
ここから本題です。
ではこの活性酸素をどうやって減らすのか?
やはり生活習慣の改善が一番だと思われます。
活性酸素を減らす抗酸化物質を摂取することが有効と言われ、様々なサプリや食生活の改善記事があります。
しかし有効成分を抽出したサプリの効用については、確実性は無さそうです。
良さそうなものがありましたら、別途記事にて紹介しますね。
活性酸素を減らすには、肉などの食事を減らし、魚類、野菜、果物(野菜や果物を多く摂ろう 参照)などを食事に多く摂りいれるのが一番効果的です。
和食が一番バランスが良いです。
食事のバランス(十分に野菜を摂ること)に気を付ければ和食、洋食関係無いと思われます。
そして皮脂や9‐ヘキサデセン酸を過剰分泌させないような、活性酸素を体内で作りださない生活習慣を作り上げることも大事です。
生活の乱れは活性差酸素や脂肪酸の分泌量を増加させます。
活性酸素や脂肪さんの分泌量を増やす要因とてい以下のようなものがあげられます。
・暴飲暴食
・脂肪分の多い食事
・ストレス
・喫煙
・アルコールの過剰摂取
・運動不足
・不規則な食生活
・寝不足など
あまり節制し過ぎても、それはそれでストレスになり活性酸素の増加要因になります。
それでは本末転倒ですので、ご自身のライフサイクルを見直し、上手いこと折り合いをつけていただければと思います。
2、コエンザイムQ10の摂取
様々な有効性があると言われ、色々なサプリメントに使用されているコエンザイムQ10ですが、資生堂の研究によりコエンザイムQ10を毎日100mg(コエンザイムQ10が豊富に含まれる食材、イワシ20匹分に相当)を摂取したグループと摂取しないグループに分けて試験を行い加齢臭の濃度を比較測定た結果コエンザイムQ10を4週間摂取したグループでは、皮膚から放出される2-ノネナールの濃度が摂取前と比べて2~3割減少し、加齢臭が顕著に抑制されていたという実験結果ができ公式に発表しております。
コエンザイムQ10には酸化型コエンザイムQ10と還元型コエンザイムQ10の2種類が存在し、どちらもサプリメントとして長年にわたって使用されており比較的安全な成分です。
しかし報告が無いというだけで、体調や体質などにより不調になる可能性は今のところ100%安全とあると言い切ることはできません。
日本ではコエンザイムQ10は医薬品 (代謝性強心剤) としての服用上限量は1日30 mgと定められています。
食品として流通しているサプリメントの中には、海外メーカーの製品だけでなく日本製の製品でも医薬品として用いられる量を超える量のコエンザイムQ10が含まれるものがあります。
たとえ同じ成分を謳っていても、サプリメントにおける品質 (不純物混入の有無) や成分表示通りの含有量であるかどうか、摂取したときの体内吸収量といった特性は、医薬品とは違います。
そのため、「医薬品として利用されている」という言葉のみで、サプリメントの情報が「医薬品と同じである」と判断することはできません。
適切な摂取目安量を設定するため、食品安全委員会で専門家による検討が行われましたが、現時点ではデータが不足しているため、コエンザイムQ10の安全な摂取上限量を決めることは困難という結論となっています。
これを受けて厚生労働省は食品中の成分が、医薬品として用いられる量を超えないように指導するとともに、個別の製品の安全性については、事業者により適切に確保されるように注意を呼びかけています
サプリメントにおけるコエンザイムQ10は、ビタミンのような食事摂取基準による推奨量や上限値などが設定されていないので気を付けた方が良いと思います。
資生堂は今回の研究で、酸化型コエンザイムQ10、還元型コエンザイムQ10のどちらにも加齢臭抑制に顕著な効果があることを発見しました。
無香料石鹸で手洗いをした手を袋に20分間入れて採取したガス中のノネナールをGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)にて測定したとのことです。
徹底していますね。
加齢臭の原因物質2-ノネナールは体内でも生成されるのですね・・・
体内環境の改善もこれからは必要です。
この研究成果は、2017年に日本補完代替医療学会誌第14巻第1号(学会誌が販売されております。専門誌につきかなり難解だと思いますが、ご興味がありましたらご購入してお読みください)に掲載されました。
3、毎日、入浴してポイントを押えてしっかりと洗う。
加齢臭対策で入浴は大事です。
加齢臭の発生部位を専用の石鹸やボディーソープ、シャンプーでしっかりと洗うこともポイントです。
朝風呂に入って洗い流してから出かけるのが一番ですが、洗ったら大体8時間くらいは発生まで時間がかかるそうです。
しかし朝は忙しい。
そこまで時間を取れる人は少ないはずです。
せめて就寝前の入浴はしっかりとしたいものです。
では、加齢臭が気になる方の入浴時の洗い方ですが・・・
シャンプーについては、以下の手順で洗髪(ミドル脂臭と同じです)をしましょう。
①、シャワーをあてる際に水流が頭皮に対しておおよそ90度の角度であたるように流すと、より毛穴の中の汚れが落ちやすくなります。
シャンプーをつける前に頭皮や髪を洗い流すことで、お湯をあてることで粘性の高いミドル脂臭の皮脂もやわらかくなり落としやすくなります。
②、 1のシャワーをあてる際に、頭皮に傷をつけないように爪を立てず、指の腹で頭皮をやさしくマッサージするようにもみ洗いをしましょう。
③、シャンプーをつけて2同様に指の腹でもみ洗いをしましょう。
この際に加齢臭の発生部位(後頭部、頭頂部、うなじ付近)や耳の裏付近は特にじっくりと洗いましょう。
シャンプーの泡立ちが悪いようでしたら、2度洗いをしましょう。
加齢臭対策のシャンプーやリンスを使用することも大事ですね。
できればノンシリコン系のシャンプーやリンスが良いでしょう。
シリコン系のシャンプーやリンスは髪の毛のツヤを改善させますが、毛根や毛穴を詰まらせてしまうためミドル脂臭の原因物質が溜まってしまう可能性があります。
ニオイの元、2-ノネナールの発生原因となる菌を殺菌する成分が配合された加齢臭対策用シャンプーを選びましょう。
また体の洗い方になりますが、まず加齢臭対策の石鹸やボディーソープを使いましょう。
通常部位は、普通の洗い方で良いのですが、加齢臭の発生部位だある胸や背中の肩甲骨の間付近は、タオルに石鹸やボディーソープをつけてシッカリと泡立てて念入りに洗うようにしましょう。
この部位も最初はお湯でしっかりと洗い流してから泡立てた石鹸やボディーソープでキッチリと洗うようにしましょう。
またストレスも加齢臭を悪化させる要因となりますので、ゆっくりと入浴時間を取り、リラックスを心がけましょう。
④、衣類についた加齢臭を落とすには、加齢臭対策洗剤や柔軟剤、洗濯用の漂白剤を使用しましょう。
加齢臭対策 洗濯編 こちらの記事をご参照ください。
⑤、寝具なども小まめに洗濯をしましょう。
加齢臭、ミドル脂臭対策 寝具編 こちらの記事をご参照ください。